第34回読書会blue開催レポート
令和5年2月26日(日曜日)9:30~
富山県民会館6階608号室にて[読書会blue]第34回「星の王子さま」開催しました。
昨年12月の読書会は延期となってしまったため、久しぶりの開催です。
課題本はサン=テグジュペリの「星の王子さま」
多くの読書会でも取り上げられているサン=テグジュペリの名作です。
読書会blueでは感想を話し合う前に課題本に関する小話を紹介しています。
小話は
・サン=テグジュペリについて
・星の王子さま創作のきっかけになった出来事
を紹介しました。
星の王子さま創作には作者自身が体験した経験やエピソードが多数含まれています。
今回は著者自身の著作や資料などを基に、「星の王子さま」創作に含まれている(と思われる)エピソードをいくつかピックアップしてお話しています。
読書会は物語の内容を主軸としながら、訳者による表現の違いなどにも触れる読書会となりました。
参加者からの感想を紹介します。(ネタバレ多数/一部抜粋しています)
・大切なものは目に見えない。心で感じるもの。自身のことのように感じる場面もあった。
・物語最初から主人公が試されている印象。大人か子どもか問われている。
・夕陽は子どもは見たいと思わない、王子さまは大人な印象。
・(王子さまから見たら)自分はどんな星の住人に見えるのだろう。
・フランスに住んでいる親友に捧げた本と記載ある。これは離れていても一緒だというメッセージではないか。
・久しぶりに再読。過去に読んだときに刺さらなかったのは大切なことは目に見えない経験をしていなかったからかもしれない。
・聖書の次に売れた本。この本はいつ読んでも刺さる。空を飛ぶことへの憧れを感じる。
・バオバブの樹には当時の独・伊・日を、バラは恋愛を表している。バラのシーンは自身の経験に重なる部分もあり刺さった。
・新潮社と同内容でも光文社では「ちいさな王子」とタイトルがついている。なぜ「ちいさい」のか考えると別の見方がみえる。
・美しくて悲しいお話。砂漠の表現が美しい反面、ヘビとのやり取りは悲しい。
・「星の王子さま」は岩波書店でも発刊する際に編集者と訳者が一文一文照らし合わせて訳したと聞いている。それだけ大変愛着のある作品。
・児童書は子どもたちが安心して読むものだが、高校生からすると教訓めいた印象かもしれない。
・キツネもバラも結果として友だちになっている。子どもから見たらどちらも一緒では?
・王子さまは感受性が豊か。些細なことに思えることでも本人にとっては重要なこと。
・大切なものは人に見せないようにしている。思っていても言わないようにしている。
・大切なものは目に見えない、これは自身の実感としてある。
・児童書として安全なものばかり与えるのもよくないと思う。大人の世界の不条理も知った方がよいのでは?
・読了して、普段情報ばかり追いかけてそわそわして余計なこと(自分と関係ないこと)を考えていることに気づいた。
・ラストのシーン、体は持っていけないから死を選んだのか。転生ものか?
・主人公と王子さまど井戸を探すシーンでは、主人公に合わせて王子さまが動いていた。これは死が怖くなかったから?
・花は自分にとって大切な心情を表わしている。フランスへの思いもあったのではないか。
・最初は目に見えるものしか見ていなかった。(王子さまが)心でバラを見ていたら見えていたのかも。
・キツネとのやり取りは親友とのやり取りを思い出した。子どもと大人とでは目線が違う。
・星の王子さまはジャンルで区切れないものと感じる。序盤の会話のかみ合わなさにイラついた。
・主人公が昔と変わったことに気づくことは、直視したくなかった感情に気づくこと。
・「かいならす」という言葉にあえてすることに意味がある。
ほかには
・「星の王子さま」は一般書?児童書?
・訳者による言葉の表現や印象の違い
・バラのトゲが4本なのはどうして?
など、読んでみて感じた感想からさらに一歩踏みこんだ内容についても話し合いました。
参加者の皆さん、ありがとうございました!
次回は2023年4月30日(日曜日)9:30~
課題本は吉野源三郎の「君たちはどう生きるか」
宮崎駿監督が映画化することで話題となっていましたね。
読書会blueでも2018年に課題本で取り上げたことがある1冊です。
本は時を経てから読むとまた違った印象や新たな視点に気づくことのできるもの。
皆さんの参加をお待ちしています。(残席わずかです)
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