第47回読書会blue開催レポート

令和7年4月20日(日曜日)9:30~ 高志の国文学館 研修室103にて[読書会blue]第47回「赤毛のアン」開催しました。

課題本はモンゴメリの名作「赤毛のアン」

世代を経て現代でも読み継がれる1冊です。
4月にはNHKでアニメ化されたことも話題となりました。

 

読書会blueでは毎回課題本に関する小話を紹介しています。

 

今回は

・モンゴメリについて

・赤毛のアン創作秘話

を紹介しました。

モンゴメリはカナダ出身。生まれて間もなく母が亡くなり、祖父母の暮らすカナダ:プリンスエドワード島のキャベンディッシュで幼少期を過ごしました。

 

大学進学を機に祖父母の元を離れ、卒業後は教師として働いていましたが、祖父の死去により祖母の面倒をみることとなったことから帰郷。仕事をしながら小説を書き始めたことからキャリアがスタートしました。

 

1908年「赤毛のアン」で文壇デビュー。刊行後は多くの人々に読み継がれる1冊として世界中に広まりました。

 

「赤毛のアン」創作のきっかけはモンゴメリがたまたま見かけた「ある夫婦が男の子を孤児院へ依頼するが間違えて女の子が送られてくる」というエピソードから。

このほかにもモンゴメリ自身の幼少期の体験や感じたことがアンの世界にも生かされています。

「赤毛のアン」を日本に紹介した翻訳者:村岡花子も過去に朝ドラに取り上げられていましたよね。

 

 

参加者からの感想を紹介します。(ネタバレ多数/一部抜粋しています)

アン自身について、アンを周囲の登場人物であるマシュウやマリラ、ダイアナやレイチェル・リンド夫人などについても話題の挙がりました。

 

・1回目はアン目線で読んだ、2回目はマリラとの関係に注目して読んだ。3回目はブラウニングの詩に注目して読んだ

 

・レイチェル・リンド夫人はスーパー主婦。手仕事を完璧にやってのける人でもあり、マリラが相談しにいくと冷静に対処している

 

・ユーモアの大切さ、人物の価値として大切なこと

 

・ユーモアのセンスを持っている人は身についたものを感じ取れる人

 

・マシュウが亡くなってから展開が変わった。アンの決断にびっくり

 

・純粋に読むのが楽しかった

・「曲がり角は何も見えない」の表現→この世は良いと信じられる

 

・自然描写の美しさから郷土愛を感じた

 

・アンが周りを変えていけるのは愛情を感じられているからこそ

 

・アンは自己肯定感が強い

 

・アンとマリラのやり取りはコントのよう

・読むと物語に引き込まれる、力を強い本

 

・モンゴメリは理想の世界に自分の理想を詰め込んでいる

 

・愛情の扱い方が素敵

 

・11歳のアンが周囲に感情や空想を伝えることに圧倒される。自己肯定感が強い

 

・欧米の文化圏にはキリスト教が溶け込んでいる

 

・ミヒャエル・エンデ「モモ」を想起した。どちらも人を巻き込んでいる

 

・マリラの心情がリアル、表現がリアリティ。年代が違っていても読める

 

・アンとマリラは平等

 

・マシュウは母親、マリラは父親のよう。当時の日本の親子関係とは違う

 

・マリラが原因を作っている場面もあるが、マリラが自分の否を認めているから良い

 

・(ラスト)生まれつき持っている空想と夢の国を奪うことはできないという言葉に感銘を受けた

 

・想像力が豊かなのは現実が不幸だからこその空想

 

・アンが空想と現実のバランスを取れるようになったのは、成長したことと教育を受けたこと、自身が幸せになったことから

 

・イギリスの文化の影響が強い

 

・アンとダイアナは疑似恋愛のよう

 

・ダイアナと離れた時にギルバートが現れるのは成長の現れ

他には

 

・「赤毛のアン」が読み継がれる理由

・アンの行動の理由は自己肯定感の強さ?

 

など赤毛のアンの世界をたくさん語り合う時間となりました。

参加者の皆さん、ありがとうございました!!

次回は2025年6月15日(日)9:30~

課題本はダニエル・キイスの「アルジャーノンに花束を」

読書会blueでは2回目の課題本、何度読んでも考えさせられる1冊です。

皆さんの参加をお待ちしています。

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