第38回読書会blue開催レポート

令和5年10月15日(日曜日)9:30~ 高志の国文学館 研修室103にて[読書会blue]第38回「老人と海」開催しました。

 

課題本はヘミングウェイの「老人と海」

 

読書会blue第1回目の課題本に取り上げて以来久しぶりの2回目です。

以前は本の内容を主軸とした話がメインでしたが、今回は本の内容からさらに飛躍して登場人物を深堀りしたり、「なぜ現在まで語り継がれる本なのか」など話題は多岐にわたりました。

今回の小話は

 

・ヘミングウェイについて

 

・「老人と海」創作秘話

 

を紹介しました。

 

「老人と海」はヘミングウェイ生前最後の小説になります。執筆のきっかけとなったのはキューバで聞いた老漁夫の話。その話に自身の体験を織り交ぜ、推敲に推敲を重ねたものが現在の「老人と海」になっています。小話の中では「老人と海」の基となったエッセイやヘミングウェイ自身の生活の様子なども紹介しました。

 

参加者からの感想を紹介します。(ネタバレ多数/一部抜粋しています)

 

・(老人について)良い年の取り方をしている人。肉体は年を取っていても目だけは別。いきいきとしている。

 

・ラストが悲惨にならなかった。読んでいる自分も前向きになれた。

 

・困難にぶつかっても決してあきらめない心に共感。

 

・マノーリンの名前にライオンが含まれている(manolin→lion)。ライオンは昔の栄光を表現しているのでは?

 

・マノーリンは朝日、サンチャゴは夕日な印象。

 

・ラストのお金持ちのシーンでは貧富の差を感じる。

 

・ラストの帰港で「遠出をしすぎただけ」と思える精神力。経験の数と捉える姿にぐっとくる。

 

・海上でのカジキとの闘いのシーンからはマインドフルネスを想起させた。

 

・結果出せない自分を客観視している。何が足りないかわかっている人。ストイックな精神がかっこいい。

・少年は気遣いができる人物。老人に施しを感じさせない、プライドを傷つけない。老人との関係性が良い。

 

・サメの描写がいきいきとアニメみたい。

 

・落語のような印象。短いなかで冒険させてもらった、良い旅をさせてもらったと感じる読書体験だった。

 

・「ツキ」はマノーリンが持っているからそれで良い。老人が持ちすぎなくて良い。

 

・釣りの経験があるため描写がイメージでき、映像化できた。サンチャゴはプロフェッショナル。命と魚の頭だけ残っただけ良い。

 

・「老人と海」は何にでも解釈できるから読み継がれているのではないか。

 

・サンチャゴは海から降りたらボケるかも。

 

・最後までライオンが何かは触れられない。分からないからこそ名作。

 

・サンチャゴのかっこよさは漁師らしく生きているから。そういう生き方をするべくして生まれたし行動している。

 

・読みやすく、漁が始まってから引き込まれた。いろんな読み方ができる本。

 

・ライオンの夢→老人の若かりし頃を想起。まだ諦めてない。

 

・キューバ危機でカストロがヘミングウェイを「人間の礎」と表現していた。「老人海」の内容は当時のゲリラ活動の人にも響くものがあったのではないか。

 

・最後までライオンが何かは触れられない。分からないからこそ名作。

 

・サンチャゴのかっこよさは漁師らしく生きているから。そういう生き方をするべくして生まれたし行動している。

 

・仕事でワンオペをすることがあり、その時の自身の状況と老人の孤独な状況が重なった。

 

・アクションシーンが細かく、丁寧に描写されている。あんな大冒険なのに147ページしかないことが驚き。

・不戦不屈の精神がかっこよいと思っていたが現実はそうはいられない。転んでも良いし、また立ち上がれば良い。自分自身の成長を見れる作品。

 

・著者はプロレテリア側。思想の違う人の考えを本で知れるのは面白い。

 

・手の痛みが伝わってくるくらいの描写力。このページの少なさで引き込まれた。

 

・「老人と海」は読む年令によっても印象が変わるのでは。

 

・少年の年齢について(訳者によって上下する)

 

・緻密でダイナミックな表現。表現力が凄い。自分も魚と格闘しているくらい引き込まれる。

 

・キリスト教の描写あるところがアメリカ社会らしい。

 

・当時の寿命から見たらヘミングウェイ自身も「老人」。自分自身も描いている。

 

・結果なくても老人は勝利した。

 

・人生を反映している印象。シンプルな内容だけにいろいろ想像できる。

 

・「老人と海」は当時の時代背景や社会情勢もあって代表作となった。

 

・少年として生まれて、少年として終わる。まだまだ自分は負けてない。

ほかには

 

・読み継がれる理由

 

・「老人と海」から学ぶリクスマネジメント

 

など、内容から一歩先の事柄まで多くの内容が飛び出した時間でした。参加された皆さんも事前にしっかり読み込まれている方が多く、1人ひとりの感想も内容が濃い!方ばかり。読書会blueを立ち上げた当初より全体のレベルが上がっているなと感じました。それだけ読書会の限られた時間を楽しもうと思って来て頂けること、大変ありがたいです。

参加者の皆さん、ありがとうございました!!

次回は2023年12月17日(日曜日)9:30~

課題本はカミュの「異邦人」

こちらは複数人で読む方がより理解できる1冊。

皆さんの参加をお待ちしています。

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