第23回読書会blue開催レポート

令和2年10月25日(日曜日)9:30~ 高志の国文学館研修室103にて[読書会blue]第23回「イワン・デニーソヴィチの一日」開催しました。

序盤は小説の世界に入っていくのに時間がかかった、という声も聞かれましたが、本を通して感じたこと・思いを話すことで自分の考えが明確になり、他の参加者の意見を聞くことでより理解が深まる時間となりました。

 

話題となったのは「人間のたくましさ」

舞台はロシアのラーゲリ(強制収容所)という特殊な環境のある一日。

今日一日を「生きる」ための執着が普段の私たちの比ではありません。

それは食事時の皿や盆を取るタイミングや班内での立ち回りなどからも感じられます。

収容されたことを恨むわけでもなく、自身の未来を考えるでもなく、ただ「生きる」ことを考えています。

与えられた環境で淡々とすべてを受け入れ、適応する。

そこから学ぶことは日々の幸せに感謝して生活することの大切さであったり、今いる場所で頑張ることで見えてくるものが必ずある、ということ。

過酷な環境で作業に真剣に取り組む様子も人間のたくましさを感じられます。

そんなラーゲリでの楽しみは「食事」と「タバコ」。

粗末な食事も無駄にせず味わうシーンは非常に印象的です。(タバコのシーンの禁煙中の参加者曰く非常に納得な表現だったそうです)

文章全体に大きな起伏がなく、淡々と書かれているからこそラーゲリの過酷さがリアルに感じられるのかもしれません。

他には

ロシア文学特有の暗さがない。

敵対していた民族・人種でも強制収容所では家族同様の存在である。

パブテスト・ロシア聖教についてなど多彩な話題からさらに理解が深まりました。

小話は

・ソルジェニーツィンについて

・ラーゲリ(強制収容所)について

を紹介しました。

詳細は後日ブログに公開します。

注)撮影時のみマスクはずしてます。念のため。

参加者の皆さん、ありがとうございました!

 

次回は2021年1月11日(月曜日)9:30~

課題本はヴィクトール・E・フランクルの「夜と霧」

読書会blueでは2回目の課題本です。

皆さんの参加をお待ちしています。

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