平成30年度炉辺談話に参加しました

平成31年3月21日(祝) 13時半~

平成30年度高志の国文学館 第3回炉辺談話「朗読の楽しみ -宮下奈都「羊と鋼の森」を題材として-」に参加しました。

こちらは毎年1月~3月にかけて高志の国文学館が主催となって行われている読書会です。

過去の内容は高志の国文学館HPをごらんください。

読み聞かせを聞くのが好きだったこと、朗読に興味があったことから参加しました。

参加者は12名ほど。60代~70代の方が多い印象です。

はじめに永原美智代事業課長より朗読について15分ほど解説がありました。

 

そもそも朗読とは…

(鑑賞・紹介などのため)文学作品や手紙などを皆にわかるように音読すること

を言います。

 

俳優さんが行っている朗読は、演技として登場人物に感情を込め、抑揚をつけた読み方をしており、実際の朗読は抑揚をつけず聞き手に解釈を委ねるNHK的な読み方が理想とされています。

 

聞き手に解釈を委ねる、とはいえ

読み手が物語の流れ・登場人物の心情を事前に掴んでいることは必要です。

 

例えば、「すみません」という言葉ひとつ取っても

ストーリーによっては

(謝罪の)すみません

(形式的な)すみません

なのかによって聞き手の印象が大きく変わるからです。

 

NHK杯全国高校放送コンテストでは課題本から好きな箇所を選定し、大体1分30秒~2分程度(400字~600字)を読むそうです。

 

ここでグループ内で感想や朗読箇所の選定を行います。

選定のポイントは主に4つ。

・切り取った場面が、作品世界として完結している

・聞き手が登場人物を聞き分けることができる

・地の文と会話文のバランスが良い

・自分の声質を活かすことができる

こちらに該当する箇所を課題本「羊と鋼の森」の中から自身で選びます。

 

これまで朗読を意識して読んだことがなかった私、

地の文と会話文のバランスの良い箇所を選ぶのに時間がかかってしまいました。普段か、気になった箇所に付箋を貼っておくと良いかもしれませんね。

朗読箇所の選定後、朗読のポイントについて解説がありました。

選定した場面が聞き手の頭の中に描けるよう、正しく伝えるために必要な技術として主に3つ。

①アクセント

②イントネーション(抑揚-語句の強調)

③プロミネンス(語句・文全体の強調)

です。

 

①アクセント

「かき」という言葉があります。

かを強調して言うと

き(牡蠣)になりますし、

きを強調すると

(柿)になります。

アクセントの違いでまったく別物になってしまうのですね。

 

②イントネーション

文章の主語・述語を意識すること

語尾を落とすことで聞き手に句読点や文章の終わりをわかりやすくすること

で聞き手が頭の中に選定した場面を描きやすくなります。

基本は「高く入って、低く落とす」だそうです。

 

③プロミネンス

物語には人物の名前・固有名詞・変わった言葉などが登場することがあります。

初出語、固有名詞、時を示す語、キーワードなどは丁寧に読むことを心掛けると聞き手は理解しやすくなります。

 

その後各グループにて選んだ場面の朗読し、聞き合いました。

私はp250~251の主人公と双子のリハーサルシーンを朗読しました。

朗読のポイントを聞いていたとはいえ、間の取り方や息継ぎを意識しないと変なところで言葉が途切れてしまい不自然なところで句読点が入ってしまいます。

話すスピード、言葉のアクセントなども意識して読む必要があります。

朗読をはじめ、言葉の奥深さを感じた読書会でした。

高志の国文学館の皆さん、ありがとうございました。

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