第4回読書会blue開催レポート

〜あなたの読書を更に豊かに〜

富山市内で定期開催中

読書会blueの新井です。

平成29年4月29日(土曜日)9:30~

高志の国文学館にて

読書会blue第4回「坊っちゃん」

を開催しました。

課題本は夏目漱石著「坊っちゃん」

夏目漱石の数ある作品の中でも

親しみやすいと1冊だと思います。

参加者からも

他の著作より読みやすい、という

声が聞かれました。

 

毎回、主催者より感想を話し合う前に

課題本に関する小話をしています。

今回は

・夏目漱石について

・舞台となった松山について

お話しました。

 

「坊っちゃん」は著者である夏目漱石が

松山に英語教師として赴任した際の

体験を基に書かれた小説です。

松山は俳人・正岡子規の出身地

でもあります。

夏目漱石と正岡子規は非常に仲が良く、

漱石が赴任している際には、下宿先に

療養のため帰省する子規を呼びよせ

52日間共同生活を送っていたほどでした。

なおこの期間には小説は書いておらず、

専ら俳句に精進していました。

漱石が滞在していた

離れ座敷「愚陀仏庵」の名前の由来は、

漱石の俳号:愚陀仏から取っています。
(正岡子規が「愚陀仏がいる庵だから」名付けたという説もあり)

小説を出版したのは松山の赴任から

約10年後、漱石が39歳のとき。

鶉籠(うずらかご)というタイトルで

出版しています。

こちらの短編集は「坊っちゃん」の他に

「二百十日」「草枕」の順で

収録されています。

鶉籠は国会デジタルコレクションで

見ることが出来ます。(白黒です)→http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/885509

 

小話を終えてから本を読んだ感想を

話し合います。

課題本「坊っちゃん」は

読み手が坊っちゃんの日常を

見ているような

そんな雰囲気がありますね。

主人公「坊っちゃん」の

純粋さ、素直さ、

不器用だけど時に優しい。

坊っちゃんの良さは

参加者全員が感じていました。

問題が解決したわけではないので

世知辛さは残りますが

最後には清々しさが感じられます。

清のイメージは人によって分かれます。
(私はおばあちゃんだと勝手に思っていました)

今の「若い」と当時の「若い」は

年齢に開きがあるのですよね。
(当時の平均寿命や初婚年齢も考慮して)

みんなで話合うまで気づきませんでした。

失礼しました、清さん(・・;)

 

1人読みでは気づかなかったことに

気づけることが読書会の良さですよね。

坊っちゃんと清の関係って

お母さんのようなお姉さんのような

優しい関係です。

 

当時の時代背景の話にもなりました。

うらなりがマドンナに

何も言えなかったのは

当時の結婚が身分・お金を

非常に重視していたからではないか。

マドンナが赤シャツの求婚を

拒まなかったのも

そういう理由からかもしれません。

ちなみに、

当時の1円=現在の3800円に

相当するそうです。(引用http://manabow.com/zatsugaku/column06/)

みんなで時には調べながら

当時の時代背景や坊っちゃんについて

話を深めました。

 

坊っちゃんも松山に来た当初、

文化・習慣の違いに戸惑っていました。

東京出身の漱石も

松山に来た当初は文化・習慣の違いに

戸惑ったのかもしれません。


(お猿も大好き温泉には頻繁に通っていた模様)

今回

「普段あまり本を読まないけど、

読書会をきっかけに

本を久しぶりに本を読んだ」

という方もいらっしゃいました。

読書会をきっかけに

本を手に取っていただけて

嬉しかったです!

今回の撮影はとあるカメラマンさんに

お願いしました。

一眼レフで撮っていただくと

仕上がりが違いますね。

普段より味のある一枚に

仕上がっていると思います。

 

参加者の皆様、ありがとうございました。

次回は6月24日(土曜日)9:30~

課題本はダニエル・キイス著の名作

「アルジャーノンに花束を」です。

私も以前から好きな1冊です。

皆様の参加をお待ちしています。

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