とやま月イチ読学部体験レポ:人間失格

2019年11月21日19:00~
とやまま月イチ読学部にてファシリテーターを務めさせていただきました。

課題本は太宰治の「人間失格」
実は20歳のときにも読んだことがあるのですが、当時は読了できなかった過去がある1冊です。(参加者にも同様の体験をされた方がいらっしゃいました)

 

簡単ではありますが、読書会blueと同じく

・太宰治について
(こちらは過去に読書会blueで紹介した内容)
・人間失格について

小話もさせていただきました。

読書会blueで紹介した太宰治の小話についてはこちら

(課題本「津軽」と併せて紹介しています)

 

・人間失格について
人間失格は昭和23年(1948)に雑誌「展望」の小説欄に連載された作品。同年6月、入水自殺で亡くなる前に完結した形で書き上げた最後の1冊となっています。

私小説形式のフィクションですが、主人公の語る自分には太宰自身の人生を色濃く反映していると思われる箇所も多くみられます。ある意味、著者自身の集大成であったといっても過言ではないでしょう。

ちなみに昭和11年には自身のパピナール中毒による入院生活を基に書き上げた「HUMAN LOST」という作品を発表しています。

個人的には、読み始める前に「太宰治とはどんな人物か」年表を頭に入れたうえで読むと主人公の気持ちにより共感しやすいと感じました。

同様の読み方をした参加者からは「まるで太宰治の生き様をみているよう」という意見もありましたよ。

 

↓以下読書会で話し合った内容

主人公:葉蔵は人に求められる人を演じてしまう人。

そのため自分の意志が定まらず揺らいでしまう。
幼少期から葉蔵は甘えられず(特に女性に対して)、道化でないと生きていけなかった。それが身に染みてしまっている。

そんな葉蔵が変われる機会だったのが「シズ子との同棲」と「ヨシ子との出会い」であった。

しかしながらあえてうまくいかない方を選択している。

 

かの有名な「恥の多い生涯を送ってきました」という告白。

ここでの「恥」とは何を指すのか。

道化の主人公、女性、酒、薬…と様々な意見がでましたが、結論は出ませんでした。(様々な意見があるところだと思います)

奇妙な関係を結ぶ堀木については一言でいうと「世渡り上手」

考えながら道化を演じている器用な人物で、互いを成長させるわけでもなく、互いが軽蔑しているフシもある。堀木の器用さが葉蔵と比べてイラツキを覚えた、という感想も聞かれました。

 

バーのマダムが登場する意味についても参加者全員で考えてみました。

葉蔵はマダムを慕っており、写真・ノートを贈ったのも「母」のように慕っていたからではないか。

最後のセリフは著者が言ってほしかった言葉ではないか。(「恥の多い…」とは真逆)

 

ここから見えてくるのは

「自分から見えている自分」「他人から見えている自分」は違うということ。

 

葉蔵も他人から見たらイケメンで困っているところを見るとつい手を貸したくなってしまう、母性本能をくすぐる人物だったのかもしれません。

 

少人数ながらも充実した話し合いをした読書会でした。

(スタッフの方に撮っていただいた1枚です)

とやま月イチ読学部では月1回、小説から実用書まで幅広いジャンルの課題本で読書会を行っています。詳細は「とやま月イチ読学部」ホームページをご覧ください。

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