第48回読書会blue開催レポート
令和7年6月15日(日曜日)9:30~ 高志の国文学館 研修室103にて[読書会blue]第48回「アルジャーノンに花束を」開催しました。

課題本はダニエル・キイスの「アルジャーノンに花束を」
読書会blueでは2回目の課題本。過去には日本でもドラマ化もされており、見聞きした方も多いのではないでしょうか。
読書会blueでは毎回課題本に関する小話を紹介しています。
今回は
・ダニエル・キイスについて
・アルジャーノンに花束を創作秘話
を紹介しました。
ダニエル・キイスはアメリカ・ニューヨーク出身。大学で心理学を学んだあと、雑誌編集やファッション写真撮影などを経て高校の英語教師となります。このころから小説を書き始め、その一方で大学院へ通い英語学とアメリカ文学の修士号を取得しています。1959年中編小説「アルジャーノンに花束を」を発表しヒューゴー賞を受賞。1966年にはこれを長編化した同名の作品がネビュラ賞を受賞、世界的ベストセラーとなりました。
その後は大学で教鞭を執る傍らベストセラー小説を次々と出版。「5番目のサリー」、「24人のビリーミリガン」など心理学の知識と取材に基づくキイスの作品は大きな反響を得ました。

「アルジャーノンに花束を」執筆のきっかけは高校の英語教師時代に受け持つことになったIQの低い特別クラスにいたある少年の言葉からでした。
「ここはバカクラスだって知ってるよ。もしいっしょうけんめい勉強して、学期の終わりに頭がよくなったら、ふつうのクラスにいれてもらえる?」「ぼく利口になりたい」
精神遅滞の少年が限界を意識して、もっと知能を高めたいと望んでいる。
この少年に出会ったことがアルジャーノン想起のきっかけとなりました。
参加者の皆さんの感想を紹介します。
チャーリィの気持ちの面や家族との関係について、アリスやフェイなど登場人物についてはもちろん、幸せについてなどさまざまな考察や話題があがりました。

・手術前のチャーリィは友達がたくさんいたと話していたがそもそも友達だったのか
・チャーリィの父は深く関わっていなかったのでは。だから大人のチャーリィには分からなかった
・妹とは和解できてよかった
・周囲の反応の真実に気付けたのはよかったのでは
・知能が高い=幸せではないのでは
・知能が低いことは幸せではないとも言えない
・フェイと出会えたことは手術してよかったことでは
・見下していた存在が自分を追い越していく、認めたくない、立場にしがみつきたい気持ち
・希望が持てるラストだからこそ読み継がれるのでは
・ルビ訳と日本語訳で違いを比較しながら読んだ
・赤い涙はなぜ流したのか
・ラストの一文「うらにわのアルジャーノンに…」が切なくて泣ける
・知能は共感する心があって役に立つ
・人々を結び合わせるのは愛
・チャーリィを周囲は人間扱いしていない、認めてくれない
・過酷な状況下でもチャーリィは世間と戦って自身を主張していた
・母親を許さなくてはならないと考えに至ったのは頭がよくなったから
・物語のリアリティさ、衝撃を受けた、現在読んでも古びていない

・社会、技術が進歩しても今の状況は当たり前ではない
・個人的体験に訴えかけるような感じがした、身にせまるよう
・母と妹との別れのシーン、関係が続かなかったとしてもこの一時が大事
・吉村昭「破船」と読み合わせた
・知的障害者の人と働いた経験を思い起こさせる
・妹には兄妹児ゆえの苦しみがあったのでは
・自分の中の別の自己が興味の対象
・チャーリィの様子は認知症を想起させた
・仲良しだと思っていた人がそうではなかった、知ったほうがよいのではないか

ほかには
・IQ(知能指数)とEQ(他者との共感)の違い
・ラストのチャーリィの「ひとにわらわせておけば友だちをつくることはかんたんです…」についてどう捉えたか
など、全員の感想を聞いたうえで更に物語に関する考察や、幸せについて、頭が良くなる体験をすることで得たものなどアルジャーノンの世界を更に一歩踏み込んた話し合いを行う時間となりました。

参加者の皆さん、ありがとうございました!!
次回は2025年8月17日(日)9:30~
課題本は川端康成の「古都」
川端康成は「雪国」以来2回目の課題本です。
皆さんの参加をお待ちしています。