第53回読書会blue開催レポート

令和8年6月21日(日曜日)9:30~ 高志の国文学館 研修室103にて[読書会blue]第53回「方舟さくら丸」>開催しました。

 

課題本は阿部公房の「方舟さくら丸」。

今回は阿部公房で読書会するならこれ!と過去に推薦いただいた1冊です。

ページ数多め&難しく感じた方も多いなか、参加いただきました皆様、本当にありがとうございます!!

 

読書会blueでは毎回課題本に関する小話を紹介しています。

 

今回は

・阿部公房について

・「方舟さくら丸」について

紹介しました。

 

「方舟さくら丸」は前作「密会」(1977)を書き上げた直後から構想。当初のタイトルは「志願囚人」。1980年2月に雑誌:新潮に掲載された短編「ユープケッチャ」は志願囚人のプロローグに当たる。内容は、刑罰を通して国家のありようを問う内容となっており、舞台となった採石場跡地も実験を行う私設の監獄になる予定でした。

 

1981年、タイトルを「方舟さくら丸」に変更。これは当初想定していた問題提起では不十分であると感じたため変更に至ったとのこと。方舟はノアの箱舟をもじっており、採石場跡地は核シェルターに変更されています。作品に対して阿部公房は「主題は「生き延びる」ことと「生きる」ことは違うということ。あえて典型的なダメ人間を選び、リアルさを感じさせることがこの作品の特徴である」と後のインタビューで語っています。全編ワープロで製作された初めての阿部公房作品です。

参加者の皆さんの感想を紹介します。

 

登場人物である昆虫屋やサクラ、女について、ラストに出てくる「透明」についてなど様々な感想が聞かれました。

 

・時計虫などありえないような話

 

・考えることをやめることにした→考えても何もないと思ったのでは

 

・人間への諦め、投げやりが表現されている

 

・文章から臭いが感じられる「(例)汗と~」

 

・下界に出たモグラは生きていかなければならない

 

・モグラが父から解放されたところは良かった

 

・ラストの「透明」という表現が良かった、キレイに感じられた。このために序盤があったのでは

 

・登場人物は現実と関りが薄い、アウトサイダー的な人物ばかりの集まり

 

・モグラの去ったあとは副官が取り仕切るのでは

 

・狭い世界の人間。本質は他作品と一緒だが、ずっしりと残るものがある

・ノアの箱舟、世界の終焉、さくら丸は日本をイメージ。ラストは具体的に書かれていないが、本当に世界は終わってたのかもしれない

 

・いもしない生き物を存在しているように書くのが阿部公房

 

・女が船に戻ったのは志願囚人としてあえて戻ったのでは

 

・読み終わった最後は希望を持てた

 

・芝居を見ている感じ。状況の説明がなされず展開が進んでいる

 

・読む人に見方が変わるのでは

 

・ミステリーではない、喜劇のよう

 

・終わりよければすべて良し、女がキーパーソンでは

ほかには

 

・サクラと女が方舟に残った理由

 

・登場人物について→死体は本当に猪突だったのか?サクラとさくらの使い分けのワケ

 

など参加者の意見を参考に更に気になった話題について様々な話題が聞かれました。

参加者の皆さん、ありがとうございました!!

次回は2026年8月16日(日)9:30~

課題本は太宰治の「人間失格」

皆さんの参加をお待ちしています。

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