第35回読書会blue開催レポート

令和5年4月30日(日曜日)9:30~ 高志の国文学館 研修室103にて[読書会blue]第35回「君たちはどう生きるか」開催しました。

高志の国文学館では久しぶりの開催です。

課題本は吉野源三郎の「君たちはどう生きるか」

今年の7月にスタジオジブリから映画公開予定になったころから今ふたたび注目を集めています。

読書会blueでは2018年2月に取り上げて以来、今回は2回目です。

 

 

読書会blueでは感想を話し合う前に課題本に関する小話を紹介しています。

 

小話は

・吉野源三郎について

]

・出版当時(昭和12年)の事件について

 

を紹介しました。
「君たちはどう生きるか」には当時の時代背景が大きく影響しています。小話では著者である吉野源三郎についてはもちろん、当時の出版事情について、日中戦争のきっかけとなった盧溝橋事件についても紹介しました。

読書会は参加者それぞれの感想はもちろん、貧困など当時の時代背景についてや現在でも読み継がれているのはなぜ?など多彩な話題が飛び出す時間となりました。自身の生き方を見直すきっかけとなった方、ナポレオンに興味を持った方も何人かいらっしゃいました。

 

参加者からの感想を紹介します。(ネタバレ多数/一部抜粋しています)

 

・この本に答えはない。(読者に)問いかける本。

 

・ナポレオンや雪の日の出来事のエピソードが特に印象に残った。特に雪の日の出来事のような経験は誰しも大なり小なりあるのではないか。嫌な経験があったとしても次に生かせれば良い。

 

・コペル君とおじさんの関係は「おじさんと甥っ子」だからこそ話せた内容。親子ではこのような話はできない。

 

・理想論的な内容。当時の時代背景の影響を感じる。

 

・差別、貧困など現代の社会問題になっていることも取り上げられている。

・(コペル君に対する)おじさんの要求が高い・厳しい。

 

・自身の経験を思いだした。小学校高学年~中学生の頃に読んでいたら変わったかも。

 

・(当時の社会情勢では)戦争に向かっていく状況の中でも子どもたちに向けての問いかけ・教訓が含まれている。無意味な戦争をやめようという著者のメッセージではないか。

 

・第三者(著者?)のナレーション的な視点がある。

 

・(読了して)ナポレオンに興味を持った。

 

・お母さんの姿勢がうらやましい。コペル君にとって優しい・柔らかい言葉を与えてくれる存在となっている。

 

・著者が読者に向けて問いかけている。

 

・現代社会でコペル君のような賢すぎる子は生きづらいのでは。

 

・北見君だけでなく、浦川君もヒーローとして書いている。人は強さ・英雄に惹かれがち。

 

・人間にとって大切なのは寛大さ・優しさも大切。
   

・教訓くさく感じることもあるが、古くささを感じない。これを読んだらナポレオンについて調べたくなる。

 

・「勇ましき友」のようなことが現代の学校で起こっても同じ結末にならないと思う。

 

・気づかされるものがある。自分のことを振り返る良い機会となった。

 

・思想的なものも入っているが読みやすい。道徳的。

 

・失敗したときもコペル君の周りの大人が見守り、導いてくれる。環境に恵まれている。

 

・コペル君の日常を題材としておじさんが教えている。おじさんのノートがあるからこそ生きている作品。

 

・当初は読みにくかったが、自身のことを考えるきっかけとなった。

 

・「君たちはどう生きるか」を批判する本もあるが、おじさんとコペル君の関係は良いと思う。読むとこれからどう生きていくかを考えるきっかけとなる。

 

・いまどう生きているか、これからどう生きていくかは今後も考えていくこと。

ほかには

 

・コペル君が気がつかないうちに生みだしている「あるもの」とは?

 

・出版から長年経つのになぜ古くさくないのか?(読み継がれているのなぜ?)

 

・戦前の貧困について

 

など、本の感想からさらに一歩踏みこんだ内容についても参加者それぞれの意見が飛び交い、充実した時間となりました。

参加者の皆さん、ありがとうございました!

次回は2023年6月25日(日曜日)9:30~

課題本はアゴタ・クリストフの「悪童日記」

皆さんの参加をお待ちしています。

次回の案内詳細はこちら

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