第20回読書会blue開催レポート
明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
新年はじめの読書会は
2020年1月4日(土曜日)9:30〜
高志の国文学館にて[読書会blue]第20回「剱岳 点の記」開催しました。
課題本は新田次郎の「剱岳 点の記」
富山・剱岳へ測量のために登頂した柴崎芳太郎の史実を基に、著者の丹念な取材と緻密な仕事ぶりが伝わってくる作品です。
参加者の中には実際の地図と場所を照らし合わせて読み進めた方、新田次郎の関連本も併せて読んだ方もいらっしゃいました。
実際に剱岳の登山経験のある方もいたため、より深く、よりリアルに「剱岳 点の記」の世界を体験できたのではないかと思います。
↓以下読書会で話し合った内容を紹介。
地図を作り上げることは地道な仕事の積み重ね。大変な労力がかかっていることがわかった。
実際の地図を見比べると、とにかくよく歩いていたことが伝わった。
当時登山道もなかったところを切り開いた昔の人たちの体力はすごい。
登頂するには人を雇う必要があり、登場人物それぞれが役割を持っている。劔岳の登頂はみんなの力があってこそ成し遂げられたこと。男のロマン、男臭い世界。お仕事小説のような印象を持った。
県庁など関連ある場所へのあいさつを欠かさない柴崎芳太郎の姿勢は現在の仕事にもつながるのではないか。
登頂後の周囲の態度に残酷さと視野の狭さを感じた 。本当は県の役人たちに期待していたのではないか。
史実を基にリアルさを追求し、突き抜けた小説。
など様々な意見がありました。
映画では登頂後の冷遇されたシーンは描かれていません。
当時の周囲から受けた冷遇に辛さを感じたという意見に共感した方は何人もいらっしゃいました。
何もないところから偉業を成し遂げることの凄さ、と同時に人はどんどん変わるけれども、劔岳の存在はずっとある。
実際に登った経験談から自然の不変性、海外の山についてなど話題は多岐に上りました。
実は参加者の方の家に代々伝わる真言宗の掛け軸があり、そこには剱岳の登頂ルートが記載されているそうです。
もし、その掛け軸の存在を当時の柴崎芳太郎はじめ測量隊が知っていたら…この偉業は生まれなかったのかもしれません。
ほかには当時の立山信仰についての話から当時の立山登山は一大産業となっていたこと、宇治長次郎をはじめとした歩荷のことから山岳ガイドについても話題となりました。
富山日報の記者が掲載した新聞記事や2019年12月に掲載された北日本新聞の測量についての記事も紹介し、終始盛り上がった読書会となりました。
小話は
・新田次郎について
・剱岳について
話しさせていただきました。
詳細は後日ブログにてご紹介します。
参加者の皆さん、ありがとうございました!
次回は2020年4月12日(日曜日)9:30〜
課題本はモーパッサンの「脂肪の塊」
様々な身分の人々が乗る馬車で繰り広げられる人間の身勝手な振る舞いに娼婦は何を思うのか。モーパッサンの出世作です。
近日中にイベントページを立ち上げます。
皆さまの参加をお待ちしています。