第18回読書会blue開催レポート

令和元年8月17日(土曜日)9:30~

高志の国文学館にて読書会blue第19回「津軽」開催しました。

初参加の方も交え、津軽の内容から著者:太宰治の人物像、更には太宰治の憧れの存在であった芥川龍之介についてなど幅広い内容で話し合いました。

参加者から持参いただいた地図を基に全員で津軽で廻った旅路を振り返りましたよ。

本編には青森の歴史や風土も記載されており、津軽の自然の厳しさや津軽人のたくましさを感じたという意見も聞かれました。

津軽は自伝の要素が強い作品です。

青森に帰郷した目的は津軽の執筆ため、ですが、本当の目的は自分を慕ってくれる人(主に使用人や幼馴染など)に会いにいくこと。

 

なぜ自分を慕ってくれる人に会いに行くのか。

それは当時の太宰治が才能を見出されているにもかかわらず、文学界から認められない苦しさを感じており、かつて自分を慕ってくれた人にも認められたいと思ったのではないか。

 

名家で育ったが故に家・親に対するコンプレックスが強く、もっと親の愛が欲しかった。

かつて慕っていた人(使用人など)に会いに行くことで愛を確かめたかったのではないか。

 

長男が兄弟の中でも優位だった時代、

生母が病弱かつ多くの兄がいた太宰治は乳母のタケを非常に慕っていました。

太宰にとってタケは永遠の理想の母性を持っていたのかもしれません。

タケとの実際の会話の有無についても話題に上りました。

会いに行ったが実際には会話しておらず、タケとの会話シーンは創作なのではないか。

「どこまでが事実で、どこまでが虚構か」

太宰治の年表や「小説」のなかから探してみるのもおもしろそうです。

読了して感じた太宰治の人物像は、

物事を言い切らない、非常に繊細な人物。

文体から溢れる著者の性格や人間性は現代の日本人と非常に似ていて、共感した方も何人かいらっしゃいました。

現代に生まれていればもっと楽に生きられたかもしれません。

太宰治が芥川龍之介に憧れていたエピソードから、芥川龍之介の著作の興味や太宰治の他作品にまで話題が広がりました。

最後に、参加者から「近代文学の著名な作家は精神を病んだ人物が多いが、”病むから書く”のか”書くから病むのか”」なんて話も上がりました。

夏目漱石など著名な作家で病んでいる方は確かに多いっ!

あなたはどう思いますか?

 

小話は

・著者:太宰治について

・津軽執筆時の時代背景について

話させていただきました。

後日ブログで紹介させていただきます。

参加者の皆さん、ありがとうございました!

 

次回は10月14日(月・祝)9:30~高志の国文学館にて

課題本は山本周五郎の「青べか物語」

浦安の町から庶民の人間模様を描いた山本周五郎の代表的な1冊です。

近日中にイベントページ立ち上げます。

皆様の参加をお待ちしています。

おまけ:初版本を基にした「食べられる文庫」いただきました♪ありがとうございます。

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