第17回読書会blue開催レポート

令和元年6月23日(日曜日)9:30~

読書会blue第17回「悲しみよ こんにちは」開催しました。

今回は初参加:2名を交え、終始話題が尽きない時間となりました。

参加者全員が気になったことを臆せず話し合えていた印象です。

 

課題本は河野万里子氏の翻訳で指定させていただきましたが、以前の版:朝吹登水子氏訳も読了した方もいたため、それぞれの印象の違いなども話題に上りました。

好みもありますが…参加者からは情景などを思い浮かべやすいのは河野氏、回りくどい言い回しが多いが著者:サガンの緻密な構成を感じられるのは朝吹氏という意見が聞かれました。

映画「悲しみよこんにちは」も更に内容が深まるのでお勧めです。(セシルカットはもちろん、ファッションも個人的に見どころです)

 

タイトルの由来となったポール・エリュアールの詩「直接の生命(または生)」もストーリー全体を物語っており、時折詩と該当場面を見返しながら話し合いが進みました。

今回のテーマは「父と娘の関係」、「セシルの感情」

 

・「父と娘の関係」

今回の主人公(セシル)と父(レイモン)の関係は独特です。

互いに互いを必要としているいわゆる依存関係ともいえるでしょう。

 

そんな関係だからこそ、アンヌが登場することで父娘のこれまでの生活が脅かされる恐怖・不安からアンヌを結果として追いやってしまったのかもしれません。

 

アンヌの死因の本当のところはわかりません。

 

セシルは結果としてアンヌを死へ追いやってしまいましたが、今回の事件は誰も父娘を裁くことができません。だからこそ2人が一生かけて背負っていかなくてはならないのでしょう。

 

・「セシルの感情」

セシルの冷静さについては多くの参加者が注目していました。

 

終始自身の感情を淡々と、冷静に受け止めているのです。

 

当事者なのにまるで第三者のような姿から、まるで悲しみを感じたことのない人間のよう、という意見もありました。

 

タイトル以外で悲しいという言葉が出てこないのも特徴ですね。

 

母を亡くす前の生育歴も関係あるのかもしれません。

 

セシルはアンヌに対して尊敬の気持ちも持ちながらも、息苦しさから反発していました。その行動の中には「ここまでやっても大丈夫だろう」という気持ちが隠れていたのかもしれません。

 

他にはアンヌのセシルに対する対応やアンヌがレイモンに惹かれたわけなど、登場人物に関する話題が終始尽きない読書会となりました。

 

 

小話は
・著者:フランソワーズ・サガンについて

・「悲しみよ こんにちは」出版当時の反響について

主催者よりお話させていただきました。

こちらについては後日ご紹介します。

参加者の皆さん、ありがとうございました!

 

次回は8月17日(土曜日)9:30~

課題本は太宰治の「津軽」です。

近日中にイベントページ立ち上げます。

皆さんの参加をお待ちしています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です