第15回読書会blue開催しました
平成31年2月10日(日曜日)9:30〜
高志の国文学館にて[読書会blue]第15回「猫と庄造と二人のおんな」開催しました。

谷崎潤一郎、と言うと女性愛やマゾヒズム的な話が印象的ですが、関西に移住した昭和7年以降は日本文学作品も多く残しています。今回の作品は谷崎潤一郎が源氏物語の現代語訳を執筆中に書かれた唯一の小説となっています。
今回話題となったのは
「ネコとAI」
英語ではリリー(Lily)=純情、純潔
という意味ですが、作品に登場するリリーにはなまめかしい、女の性が感じられます。
溺愛する庄造にとってリリーはある意味理想の女性であったのでしょう。
同居する福子の嫉妬もわからなくはありません。

しかし、猫であるリリーは「きまぐれ」
庄造のことはどこへやら新しい飼い主:品子に懐きます。
猫らしい自由奔放さが感じられる場面です。
愛撫上手な猫であるが故に庄造も品子もその魅力にはまってしまったのかもしれません。

冷え性の品子、のぼせ症の庄造、猫は人間より体温が高いことから
作品中に登場する「体温」に着目した方もいらっしゃいました。
1冊の本を様々な視点から本を読むことができるのが読書会の良いところですね。

リリーが人と人をつなぐ存在である、という話からAIについても話題に上がりました。
AIBOやパロのようにいまロボットが身近な存在となっています。
猫をはじめとするペットに私たちが癒されるのはなぜか。
それは、人の言葉を話さないからなのかもしれません。
小話は
・谷崎潤一郎について
・谷崎潤一郎と猫
について話させていただきました。
詳細は後日ブログにて紹介します。
参加者の皆さん、ありがとうございました!

次回は4月7日9:30~高志の国文学館研修室201にて
課題本は久しぶりのアメリカ文学
ジョン・スタインベック「ハツカネズミと人間」です。
後日イベントページ立ち上げます。皆さんの参加をお待ちしています。